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横山 啓一; 羽毛田 直樹*; 田中 宏昌*; 工藤 博司*
Chemical Physics Letters, 330(3-4), p.339 - 346, 2000/11
被引用回数:63 パーセンタイル:86.66(Chemistry, Physical)金属クラスター・化合物の特殊な化学結合の電子論的な理解にむけて、超リチウム化分子LiF及びLiFクラスターのイオン化エネルギーを測定した。量子化学計算の結果と比較することにより、n=3のクラスターサイズにおいて、すでに金属的電子状態から絶縁体的電子状態への転位が起こっていることを明らかにした。
横山 啓一; 羽毛田 直樹*; 橋本 雅史; 古川 勝敏; 田中 宏昌*; 工藤 博司*
Chemical Physics Letters, 320(5-6), p.645 - 650, 2000/04
被引用回数:36 パーセンタイル:72.21(Chemistry, Physical)理論的に存在が予測されていた超原子価分子のLiFを実験的に観測することに初めて成功した。フッ化リチウムと窒化リチウムの混合物をターゲット材としたレーザーアブレーション-光イオン化質量分析法によりLiFイオンを検出し、イオン化用レーザーの出力依存性からLiFが中性のLiF分子から生成していることを確認した。
工藤 博司
化学と工業, 45(5), p.941 - 944, 1992/00
リチウムは水素化物と類似のの化合物を形成する。しかし、最近めざましい進歩をとげている計算化学によると、水素化物の水素原子とリチウム原子との置きかえにより、従来の常識では考えられないような特異な化学結合を有するポリリチウム化分子の生成が示唆されている。筆者らは、理論的に存在が予測されているこのような分子のうち、CLi,LiO,LiO,LiS,LiS,LiPなどいくつかの超リチウム化分子の実在を確認した。本稿では、金属リチウムクラスターおよび超リチウム化分子を対象に、リチウムがつくる新しい分子種の化学結合について解説する。
工藤 博司
化学, 46(5), 353 Pages, 1991/00
発達のめざましい計算化学により、理論的に存在が予測されている超リチウム化分子の実在を、実験的に確かめる研究の現状を紹介する解説記事である。これまでに実在を確認したLiO、LiO、LiS、LiS分子について得られた解離エネルギー及びイオン化ポテンシャルの実測値と理論値を比較し、今後の研究の方向について述べる。
工藤 博司
化学, 46(11), p.748 - 752, 1991/00
理論的に存在が予測されているいくつかの超リチウム化分子のうち、これまでの実験でCLi,LiO,LiO,LiO.LiS,LiSおよびLiPの実在を確認した。これらの分子は、オクテット則(八隅説)に従う通常の分子に比べて1~2個過剰の原子価電子をもつ奇妙な分子であるが、熱力学的にはかなり安定な分子であることがわかってきた。量子論にもとづく化学結合論では必ずしも異常な結合状態とは言い切れないが、特異な結合状態の解明は今後の化学結合論の展開に新たな示唆を与えるものである。本稿では、八隅説の始まりから、超リチウム化分子発見の経緯、化合物の化学熱力学的性質などについて、初学者向けに解説する。
工藤 博司
Chemistry Letters, 1989, p.1611 - 1614, 1989/00
分子軌道計算により理論的に存在が予測されている超リチウム分子の実在を確認する目的で、Knudsen-effusion質量分析法によりLiC結晶上の平衡蒸気中の分子種を分析した。Li(g)およびLi(g)に加えて、新たにCLi(g)およびCLi(g)を見出し、イオン化ポテンシャル(I.P.)および原子化エネルギー(A.E.)を決定した。I.P.(CLiCLi)=5.30.3eV、I.P.(CLiCLi)=8.20.3eV、A.E.(CLi)=106023kJ/mol、A.E.(CLi)=121931kJ/mol。これらの熱力学量は今回の実験で初めて決定したものであり、CLiおよびCLiなどの超リチウム化分子の熱力学量の検討に欠かせない数値である。